その昔、年号がまだ昭和の時代、私が小学生の頃、祖母が胃潰瘍で入院したので見舞いに行くことになった時、祖母が電話で私に言ったこと
「病室まで階段で上がってき」
子供の私は意味が分からず、とりあえず祖母の言われた通りに病院の階段を上がることにしたんですが、祖母の病室は8階でなかなかの道のりなのです
息を切らして祖母の意図することを尋ねると、一言
「帰りは病院内の患者をよく見て帰り」
言われた通り、フロアをのぞきながら階段を降りていく私
痩せこけた人、目の下に深く隈ができている人、車椅子の人、松葉杖の人、点滴を連れて散歩する人、煙草を吸うヤンキー
最後の人はアレですが、大体みんな何かしらの傷や病を抱えている人達でした
なるほど、自分の体が自分の意思で動く、それはそれだけで恵まれているのだなと帰り道にしみじみ思いましたね
今はもうボケしまって私の顔も分からない婆ちゃんですが、この婆ちゃんに様々な大切な事を教えてもらいました